たまには糸リフトについて書きたいと思います。
近年では糸リフトの質は従来のものよりも格段に改善され、より少ない本数でも引き上げ力・持続力ともにUPしています。
従来あった溶けない糸は世の中からほぼ淘汰され、現在では溶ける糸というものが主流になっています。いわゆる金の糸やスプリングスレッドリフトでは術後のレーザーが制限されたり、長期的には神経への癒着が認められるケースがあるなど問題がありましたが、現在ではそのようなケースは極めて稀になっています。
しかし、糸リフトが誰にでも扱いやすくなったことで、色々な問題が出てきているのも事実です。
大きな合併症を起こしにくいことから、大手美容外科などでは埋没やヒアルロン酸注入と並んで、最初に習得するのが糸リフトです。
血管や神経などの走行に対する解剖知識のないままに無闇に糸リフトを挿入することで損傷を起こしてしまったり、挿入する層が一定ではないために術後の凹つきを起こしてしまうケースが後を絶ちません。
そして日々の診療の中で何よりも問題だと感じるのが、『ぼったくり糸リフト』の存在です。
毎日のようにCMで流れる大手美容外科(どことは言いませんが…)、CMでは糸リフト1本12,800円などと謳っているのに、実際に相談に行くと、あなたはその糸では上がらないから…や、その糸は持続期間が短いから…などと言われて、出された見積もりは糸リフト1本100,000円×10本で100万円…なんて話を色んな患者様から聞きます。
他にも、ボトックスやシミ取りの相談で行ったのにカウンセラーに100万円の見積もりを出されて、医師との診察はなく契約など、信じがたいようなお話が明らかに増えています。
当院にもカウンセラーはおりますが、患者様の既往歴やお悩みのポイントをお聞きしたり、安心して施術をお受けいただくためのサポートとして働いてくれております。
カウンセラーが診察を行うことはないですし、もちろん無理なアップセルもいたしません。
これから糸リフトをお考えの方にいくつかポイントをお話しすると、
①糸リフトの相場は1本2万円～4万円前後です。
②必要な本数は片側で4本～6本程度のケースが大半です。
③20本必要などと言われる場合は、そもそも糸リフトの適応でない可能性が高いです。
④新人ドクターの練習台になり易い施術でもあるので、しっかりとクリニック・医師選びをしましょう。
⑤1本1万円の糸で上がらないと言われて、10万円の糸を契約したのに、実際入っていたものは…などというケースもあります。金額の振れ幅の大きすぎる施術は避けましょう。
⑥医師の診察なしで契約、ということはあり得ません。絶対に契約しないようにしましょう。(そもそも法律違反です)
皆様の充実した美容医療の一助となりますように。
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